Inagaquilala

悪なき殺人のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

悪なき殺人(2019年製作の映画)
4.2
冒頭はアフリカのコートジボアールから始まり、すぐにフランスの雪深い田舎に舞台は移る。この2つの場所の関係は後々明らかにされるのだが、これがやや驚きの展開で、物語はとりあえずフランスの山村で1人の女性が失踪したことから始まる。それが5つの物語で語られていくうちに真相が明らかになるのだが、このストーリー展開が見事だ。自分的には今回の東京国際映画祭のコンペティション出品作品のなかでは、最高賞にふさわしいものだった。とにかく次々と明らかにされていく新事実には驚くばかりで、なるほどという納得感もある。最後はやや出来過ぎの感もあるが、それも許せるくらいに、完成度は高い。熱帯のコートジボアールと雪深いフランスの山村が、なるほどと結びついた瞬間、極めて現代的な世界も垣間見えてくる。脚本にも関わっているドミニク・モル監督には注目したい。東京国際映画祭で観賞。
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