真っ黒こげ太郎

野獣処刑人ザ・ブロンソンの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

野獣処刑人ザ・ブロンソン(2018年製作の映画)
3.8
非情の荒野に、狼が帰ってきた。
マンダムな男が帰ってきた!!
(そっくりさんだけど。w)


「「K」って、それイニシャル?」
「…そうだ。」
「これで名前がついたわね、ミスターK'。」
「…。('(ダッシュ)は付かないよ…。)」



人身売買、麻薬密売、凶暴なギャングがはびこる腐敗した町。
腐り果てたこの町で、「K」と名乗るマンダムチックな謎の男がどこからともなく現れ、悪党を容赦なく射殺、処刑していた。

ある日、Kはお金を送っていたシングルマザーと知り合う。
やがてKは、シングルマザーの娘を下半身不随にした悪党達を追い詰めてゆく。



無法の町で悪人を裁く男の姿を描いた、ヴィジランテ映画。
ミスターマンダムこと、チャールズ・ブロンソンさん…のそっくりさん俳優、ロバート・ブロンジーさんの主演作。

「ブロンソン氏のそっくりさん映画!」として話題になってた本作。
吹き替え版予告がカッコ良かったのもあって、気になった。


「金はいくらあんだ?」
「6だ。」
「6ドルぽっちか?」
「…”6発”だ!」


しかし監督がニンジャカラテとパイオツと黒ニンジャの笑える生い立ちしか見どころがないZ級映画「G.I.ウォー」の監督だったので正直乗り気じゃなかった。
(最近の作品もトランスワールドアソシエイツ配給…w)

ぶっちゃけ予告からも低予算感漂ってたので期待しないで観たが、思ったよりマトモな出来だった。
…もしかしたら、レネ・ペレスさんの中で一番じゃないのかな?w
(まぁ「G.I.ウォー」しか観てないけど。w)


お話は超が付くほどシンプル。
「謎の男がふらりと現れ、悪党を殺してゆく」という超ベタな内容。
加害者の家族が謎の男と絡んだり、主人公が悪党軍団の存在を知ってラストバトルの流れになるのもベタ。

映画自体はやっぱり超が付くほどの低予算だし、間延びしてる場面も多し。
銃撃戦も低予算なのでしょっぱめで、スタント的にも一般人レベル。
(ブロンジーさんの銃の打ち方も上手いとは言えないw)
主人公も謎の男である事を踏まえても描写不足だし、ブロンジーさんの魅力でどうにかなってる感もある。


でも、内容はベタで間違ったことはしてないし、中身がベタな分悪党を処刑するブロンジーさんの姿は観ていて微笑ましくなる。
もう、メチャクチャそっくりなんだもの!!!CGでもう一人の自分を描いたウィル・スミスさんもビックリ。w
後、日本語吹き替えで大塚明夫さんがブロンジーさんを吹き替えているのですが、これがまた見事なまでに大塚周夫さんそっくりのボイスでビックリ!!!
セガール先生の吹き替えでお馴染みの方ですが、こんな声も出せるとは。

内容も「ブロンジーさんが悪党処刑してるのが見たいんやろ。ならば存分に見せたる。」と言わんばかりのスキのない内容でグッド。
悪党も中々にゲスっぷりを発揮した上で処刑されてゆくので、観ていて溜飲が下がる。
やっぱり、町のダニ共が処刑されてゆく様は観ていてスッとします。
ボス敵の末路も捻りが効いてて良かった。


後、銃撃戦はショボめだけど、着弾は血が飛び散りまくりスプラッタなのも好感触。
水たまりでドタバタしたりと、ショボいながらも頑張ってました。
後、80年代風のBGMやビジュアルで、ショボさをある程度軽減出来てたのも大きい。


正直、バリバリ低予算で映画の出来もガバガバだけど、思考真っ当な自警団系アクションとして十分観れる出来だし、ロバート・ブロンジーさんのマンダムっぷり(なんじゃそらw)を楽しく堪能できました。
ショボさ故万人向けではありませんが、80年代に沿ったヴィジランテ物や「町のダニ共皆殺し」系の映画が好きな人はチェックして観てもいいかもしれません。
(大塚明夫さんの新境地の吹き替えもチェックでっせ。)

まぁあまり期待せず、眠れない平日の夜とか、平日の夜のお酒のお供とかにでも気楽に観てくださいな。

最後に今作の名言を。

「法では甘い、正義をくらえ!」