アタフ

ラ・ジュテのアタフのレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
3.8
29分間の短編SF映画

製作には数十万円しかかかっていないらしく、かなりの低予算SF映画となっている。
ここまで低予算で作成できたのも当然で、この映画は基本的に映像ではなく、写真の連なりとナレーションのみでストーリーが語られる、非常に変わった映画だ。
「少年時代に空港のデッキで見た美しい女性」にとらわれた男性が、第三次世界大戦後の荒廃した世界でタイムトラベルを行い、エネルギーや物資を過去、未来から得ていくというストーリー
この短さやSF感は、星新一のショートショートを読んでいる気分にもなった。

写真のスライドショーとナレーションのみではあるが、緊迫感があり、重厚さは十分にある。美しい女性に出会った過去にとらわれるというロマンティックな要素と、第三次世界大戦に恐れていた当時の時代背景がマッチした奇妙なSF映画であるが、この映画がいろんな映画に影響を与えているというのも、なんとなく分かる不思議な映画だった。
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