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ラ・ジュテの一のレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
4.0
クリス・マルケル監督作品

第三次世界大戦後の廃虚のパリを舞台に、少年期の記憶に取り憑かれた男の時間と記憶をめぐるタイムトラベル映画

これは度肝を抜かれた
いわば写真で作られた30分の紙芝居にもかかわらず、今まで観てきた映画の根本から否定するかのように、滑らかな動きがあると錯覚に陥るほどの凄まじい映画体験
そんな中で一瞬動き出すシーンなんかは鳥肌ものだった

“フォトロマン”と称される実験的な技法ながらに、差し迫るような恐ろしさをひしひしと感じらられ、芸術的かつスタイリッシュさを兼ね備えるほどめちゃくちゃかっこいい上に、単純に映画としても物凄く面白いのがとにかく素晴らしい

テリー・ギリアム監督の『12モンキーズ』自体が本作を原案としている事は知っていたのですが、冒頭の空港から最後のオチまで割とまんまで驚き

モノクロ写真とナレーションのみという極めてシンプルな構成でありながら、これほどまでに完成された映画を目の当たりにしてしまうと、思わず言葉を失ってしまう
傑作

〈 Rotten Tomatoes 🍅93% 🍿93% 〉
〈 IMDb 8.3 / Metascore - / Letterboxd 4.3 〉
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