NonCorleone

ラ・ジュテのNonCorleoneのレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
4.2
SF映画というものはSFである以上、非現実的で斬新なヴィジュアルと映像が求められる。そして傑作と呼ばれるSF映画の多くはそれらを持っている。

一方この映画は、端的に言えば紙芝居だ。ほぼ静止画とナレーションのみで構成されている。他の映画に見られる様なSFらしい小道具は少なくそしてあったとしても平凡。独創的かつ精密な世界観が構築されているのかと思えばそうでもない。

だが、秀逸なSFである所以がある。

現実と非現実の狭間に存在し、それらを媒介するもの、それがこの映画で言う、時間だ。
この映画はその時間という概念を白黒写真の紙芝居というあまりにも挑戦的すぎるプロットによって描写したのだ。

私たちがこの映画を思い返す時、それは紙芝居でなく映像へと昇華する。それならば、あのまばたきは何へと昇華するのか。これは自分の想像力との戦いだ。
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