くろいひと

ラ・ジュテのくろいひとのレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
4.2

わずか30分ほどの「ほとんど全てが」静止画とナレーションだけで構成された大傑作。

架空の第三次世界大戦下を舞台にしたSF映画だが、その正体は映画という表現ジャンルへの批評的自己言及だろう。

見ることと見られること。
操りうる時間。
リアリティとフィクションの関係。
それらはすべて映画の本質を問うもので、しかもそれがけっして実験などではなく、みごとな「映画」になっているところが素晴らしい。

全体を支配する絶妙な音楽や、ただ一箇所、さりげなく挿入された「動画」など、なかなかに効果的。
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