爆裂BOX

フィナーレ "そいつ"が見えたら、終わり。の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.1
深夜のガソリンスタンドで働くアグネスとベリンダ。ある夜、奇妙な客たちが訪れ、不気味な出来事が起き、やがて何者かに拉致された二人は狂気のピエロが開く殺戮ショーに参加させられる事に…というストーリー。
デンマーク産のスプラッタホラーです。「IT」乗っかりまくった邦題ですが、確かに白塗りピエロは出てくるけど、内容的には「ホステル」を意識した作品でしたね。
ガソリンスタンドで夜勤で働く二人が、訪れる何処か怪しい客たちや、片づけたはずの空気入れが店の前に放置されてたり不気味な落書きがされたりと不穏な出来事が続くパートと、拉致されて拷問ショーにかけられるパートが交互に描かれていきますが、この構成に意味があったかは疑問。普通に時系列に沿って描いたほうが良かったのでは。店でのパートで不気味な出来事や怪しい客に怯えたりする二人が描かれるけど、挟まれる現代パートで拉致されてひどい目にあわされることは分かり切ってるので。
映画開始前に警告文や、初めに白塗り男が出てきて「気の弱い方は…」みたいな警告発しますが、確かにホチキス顔や胸に留めたり、乳首に名札をピン止めする所の痛々しさは顔ちょっと引きつりました。でも、そこ以外にはそこまで激し目のゴア描写はなかった気が。単に自分が慣れ過ぎてるだけかもしれませんが。でもあの冒頭の警告から期待するほどのエグさはなかった気がしますね。
ジャケットのピエロはそんなにピエロ感はなかったですが、その狂気と悪辣な感じは良かったんじゃないでしょうか。ただ、肉弾戦になったら弱すぎ。あまりにアッサリ倒されたからあんまり反撃の爽快感なかったな。
後半の脱出劇でアグネスが追っ手をボコボコにして顔面を洗面所に何度も叩き付ける所はちょっとスカッとしましたね。その後のベリンダの自己犠牲もちょっとグッときました。
ラストの助かったけど不穏な感じもホラー的には良かったんじゃないかな。ドイツ語話せるか聞かれてたけどドイツまで連れてかれてたのか。
このタイトルとジャケのせいで低評価になるのも頷けはしますが、中身は普通に見れる作品だと個人的には思います。