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約束の宇宙(そら)のdecapのレビュー・感想・評価

約束の宇宙(そら)(2019年製作の映画)
4.0
宇宙に行くまでの自己鍛錬と、地球と離れる事による家族間の葛藤。『ファーストマン』と似たシチュエーションながら、その自己憐憫とはまた異なる現実的な問題と向き合う。
超人間的な訓練の数々と日常的な娘の育児や学校の悩みなどが並列して語られ、自身の夢や役割を全うすることと、最愛の娘との間に揺れる感情が丁寧に描写されて胸が詰まる。
社会的に“一般解”とされる家庭との比較や、その中にも犠牲があることをサラリと描写するのもスマート。
家族の描写もやけにリアリティを感じる。娘が引っ越しに際してまず飼い猫の心配をするのも心に残った。子どもならではの周囲への気遣いと自己主張のバランスがまた泣ける。
マットディロンの配役もちょうど良い。監督のアリス・ウィンクールは『裸足の季節』の脚本。これも女性が外へ出る傑作。
宇宙へ行くまでの話が好きなのかもしれないが、小品ながらとてもよかった。欲を言えば、女性の社会進出の問題提起にしては、単なる苦労話と事実の羅列に終わっているのが残念ではある