緑

はるヲうるひとの緑のネタバレレビュー・内容・結末

はるヲうるひと(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

渡鹿野島がモデルと思われる離島の置屋の話。

佐藤二朗は本妻の子、
山田孝之と仲里依紗は妾の子。
父親と妾が心中して本妻が発作的に自殺。
という設定が終盤になって
ひっくり返されたことには本当に驚いた。
実際は本妻と妾が心中して父親が自殺。
山田は父親に本当のことを言うなと命じられていた訳だが、
父親と本妻が心中して妾が自殺と述べていれば
佐藤の心はここまでやさぐれず、
山田と仲のその先の人生は
もう少し楽なものだったのかもしれない。
妾と自殺したという設定は
父親が作ったものなのだろうか。
それとも仲の心の傷を減らすために
山田が作ったものなのだろうか。

佐藤二朗が怖い。
暴力シーンはどれも本当にビクッとした。
途中、「ん、ん、ん、ん」でホトケ出てきた! と
思った矢先に暴れられて安心できる隙がなかった。

ミャンマー人の雰囲気や発言はほのぼのだが、
実態は基盤強要のクソ野郎。
果たしてミャンマー人とリリはデキ婚に至り、
囃し立てられてのキスの途中、
リリはゆっくり目を閉じ涙を流す。
本作の世界観では目を閉じての性的行為は
気持ちが伴っているもの。
それでも嬉し泣きとは思えない。

閉塞した空気/絶望的設定/行間を読ませる台詞はいいのに
屋上で山田と仲が「は、は、は、は、……」と
大声で言い始めてからがとても陳腐で残念。
締めの「はるヲうるひとです」には心底がっかり。
ここでのタイトル回収はダサいとすら思ってしまった。

役者の芝居は総じてよかった。
坂井真紀の口許ベタベタ、
デコルテまで体液滴るフェラが最大の見所。
緑