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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのyumeayuのレビュー・感想・評価

5.0
『大いなる力には大いなる責任が伴う』

まさか新年早々、ここまでテンション爆上がりするとは思っても見ませんでした。
鑑賞から少し時間がたってもまだ興奮冷めやらぬといった感じ。

ただ、これは今作に至るまでのスパイダーマン・シリーズにどれだけ思い入れがあるかで、今作の評価は大きく変わってくると思います。

客観的にトム・ホランド版スパイダーマンの最新作として見ると、ツッコミ所もありましたし、そこまで突出した作品ではない気はしました。
様々なレイヤーが重なったせいで、これまでの学園ドラマオマージュ的な要素は薄まっていましたし、矛盾が生じないか?と思わせる場面もいくつかありました。
Dr.ストレンジの言葉を借りるならば「マルチバースの構造はよくわかっていない」と言うことなので、気にしてはいけないのでしょう(笑)。

そんな映画単体の評価よりも、シリーズへの思い入れや、それを追い続けてきた自分の想いが上回ってしまうところは、同じMCUの『アヴェンジャーズ/エンド・ゲーム』や昨年の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を見た時のような気持ちに似ています。
ある種、イベント的な気持ちを抱きながら映画を見るという機会もそう多くはないでしょうから、これはこれで素晴らしい映画体験だと思います。

さて、肝心な映画の本編ですが、ネタバレ回避でレビューするのが非常に難しい(苦笑)。
これまでのトムホ版スパイダーマン同様にジョン・ワッツ監督が今作も手がけているのですが、監督が一貫して描く「怖い大人に酷い目に合わされる子供」というテーマは今回も健在。前作のミステリオに続き、J.J.ジェイムソンやソニー版スパイダーマンのヴィラン勢など、様々な大人達にピーター・パーカーは苦しめられます。

特に身内であるはずのDr.ストレンジが一番厄介でしたね。ピーターが邪魔したとはいえ、彼が魔法を失敗したのがそもそもの始まりであって、せめて始める前に説明する義務があったように思います。医者なんだし。
それで失敗したら逆ギレって…大人気ない。もう少し気を遣ってあげてもよくないですか??

まぁ、そもそもトムホ版スパイダーマンは、トニー・スタークが1番の厄介者でしたし、メタ的に言うとソニーとマーベル(ディズニー)のゴタゴタもありましたし、常に大人の事情に振り回され、責任を負わされていたように思います。
ソニー版も含めて、ようやく今作はスパイダーマンが救われる物語なんだと思って見ていたのですが、最後の最後であの展開ですからね…。
ムズムズならぬモヤモヤした気持ちにさせられます…。

気になるのは今後の展開。
すでにトム・ホランド主演で3部作の続編が決定したとアナウンスされています。
ここまでの作品が壮大なプリクエルだったというように捉えることもできるラストだったので、次回はどのような展開になるのか、楽しみで仕方ありません。
また、マルチバースというなんでもあり状態なので、どんな展開でも成り立ってしまうため、予想するのが非常に難しい。

個人的にはデッドプールとの共演が見たい!!
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