LalaーMukuーMerry

ジャンゴ 繋がれざる者のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
4.0
タランティーノ監督によるマカロニ・ウェスタン。面白かったです、登場人物が悪党ばっかりで。黒人奴隷が当たり前の南部社会で、黒人なのに自由人となり、賞金稼ぎのドクター(クリストフ・ヴァルツ)の相棒として、大悪党を探して旅の暮らしをするジャンゴの物語。
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ドクターと、南部大地主のキャンディ(レオナルド・デカプリオ)の交渉の一部始終が面白かった。この交渉が破滅的に終わってから後は、タガが外れたようにストーリーは一気に無法者の殺し合いの惨劇に変わってしまい、最後の復讐劇まで続く。見方によっては、それでスッキリと言えなくもないが、私にはそれ以前の一見おとなしいけれど緊張感たっぷりの交渉シーンの方が興味深かった。
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はじめは友好的な雰囲気で始まった交渉、騙しのテクニック、それを見破った後の豹変する態度、強烈な脅し…、悪党同士の交渉はこういう風に進むのか、と妙なところに感心。
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プーチンと領土交渉した安倍首相も、相当大変だったろうと、同情する気持ちにもなる。プーチン、習近平、トランプとくせ者がそろった今の国際社会での交渉(特に大国間交渉)は、それはそれは大変なことになるでしょう、となぜかそんなことに思いがめぐる(飛躍しすぎか、笑)
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拳銃の弾が当たって血がドバーっと出すぎるシーンが連続するので、こういうのが苦手な方にはお勧めしにくい作品かも。