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ジャンゴ 繋がれざる者のtontonのレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
4.0
この映画、二部構成なんだけど、その二部構成を表現するのに音楽を使っている。
それはカントリーウェスタンからHIP-HOPへと音楽が変わるところなんだけど、これって白人→黒人なわけじゃん、つまりそこで話の真ん中がドイツ系白人のDrシュルツからジャンゴに移るっていうやり方。
群像劇なんかだと文字で表現する時があって「折角映像あるのにな~。」なんて思う時があるんだけど、この手法は秀逸でした。

それ以外も結構ね奴隷制とか主従関係っていうものを思ったよりちゃんと俯瞰で描いてたりして。
奴隷制っていっても、その奴隷と主人との間に心が通ってない訳ではない。
これは今でもいえる事でジンバブエでのムガベ大統領による今まで権力者だった白人を迫害する政策のドキュメンタリーを観てもそうだったんだけど、主従関係というシステムでは一概に悲劇だけが存在するって事ではなくて、ちゃんとそれを描いていた。

だからこそ、ラストへ向かう怒涛の展開への意味が深くなった気がする。
つまり傍から見ればジャンゴとシュルツの関係って普通の奴隷制での主従関係と同じに見えるんだよね。だからシュルツは最後そういう行動をとってしまった。それはジャンゴへのメッセージでもある。
そのシュルツのメッセージに応えるためにジャンゴは、ある黒人が抱えていた秘密を曝け出す。
それはジャンゴとシュルツの関係に利害関係はあれども、そこには何も隠さない純粋性と人間として平等な関係があるという証明に。

復讐劇ではなく、「ジャンゴ」はこれ「友情」の映画ですよきっと。

それにライフル撃ちまくって、間抜けなKKKを爆破させたりって、そりゃあ楽しーーー!!って映画でした。
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