ゆず

ビギル勝利のホイッスルのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

ビギル勝利のホイッスル(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

インディアン・ムービー・ウィーク(IMW)にて鑑賞。

"大将"ヴィジャイ演じる主人公が女子サッカー州代表チームの監督になる。
主人公自身はかつてスター選手だったが、同時に町を仕切るギャングの息子でもあり、頼れるアニキとして弱きを守り、強きを挫いたり脅迫したり明らかに違法なこともしている。ちょいワルな主人公。
ちょいワルな舎弟(?)たちもチームのスタッフとして働いてるのが良いな。
上映時間の長さに反して試合はあんまりしない。

エンパワメント映画であり、女性の生きづらさを取り上げている。
ある選手は身勝手な男から酷い暴力を受け、人前に出られなくなってしまった。そんな選手を主人公は励ましに行く。扉越しにいきなり鼓舞し始めたのでなんか一人突っ走ってる感じがしたが…。
ある選手は夫によって家庭に縛られており、サッカーをすることを許されないでいた。そんな選手の家に主人公は話をつけに行く。「輝く女性の傍には必ず素敵な男性がいる」そんな言葉で男へのフォローも忘れない。(←本来必要ないが)

こんな風に、伝統的に虐げられてきた女性を解放する内容だが、割と雑なやり方なので個人的には諸手を挙げて賞賛とはいかなかった。
雑さがモロに出たのが太ってる選手への鼓舞のシーンで、監督、誹謗中傷によって選手を怒らせ闘志を燃えさせようとする。やることが昭和のスポ根作品で、その昭和の古い価値観を女性解放を通して良いものへと更新するエピソードを蓄積してきたのに終盤で台無しにした感じがある。
そもそも太ってるサッカー選手という存在がもう作為的。太ってる人を応援したいのなら、それはこの映画ではないし、サッカーという競技ではないと思った。(それはそれとしてあのキャラクターは好きだが)

まあしかしそんな違和感は3時間もあれば随所で見受けられる。なにせ主人公がちょいワルだし…。
ルンギという腰巻スカートをたくし上げて戦闘態勢になる姿が似合い過ぎる。
ゆず

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