犬に関する辛いシーンがあると聞いて迷ったけれど、観てよかった。
こういう実話を元にした映画は、エンドロール前の実際の写真が心に残る。
一晩経った今もまだ、煮えきれない思いが残り続ける。
この映画は希望なのか?
2000年代になってもこんな組織が存在していたことに絶望した。組織が消えようと、思想は簡単には消えない。この話が映画化されたのは、それほど更生が稀だからだと思う。
きっと今もアメリカに、世界中に、無数の差別主義組織が存在する。
何の罪もない黒人の少年が切りつけられ、イスラム系の子どもが「過激派だ」と殺されている。
ブライオンの育った環境や心情には同情するが、それでも彼が切りつけた少年の顔には一生傷が残るだろうし、その母親は一生恨むだろう。
後悔し、反省し、タトゥーの除去は贖罪になりうるのかもしれないが、そんなことは傷つけられた彼らには知る由もない。
そしてジュリー。同じ女性として、最低な母親だと言いざるを得ない。
娘を二度と傷つけさせないと決めたなら、バブスを選ぶべきではない、絶対に。
母としての責任より女としての幸せをとった、だらしないという印象しか受けなかった。
でもそれが全てリアルであり、世界的な問題として向き合っていかなきゃならないと思った。
レビューを書くのに20分もかけてしまった。