ギルド

SKIN/スキンのギルドのレビュー・感想・評価

SKIN/スキン(2019年製作の映画)
3.9
【飢えた愛を満たす器は簡単に抜け出せない】
レイシスト集団「ヴィンランダーズ」のブライオン・ワイドナーの組織脱退を描いたヒューマンドラマ映画。

今年の冬に見たレ・ミゼラブルに近い環境で人は変わってしまうことを如実に描いた作品ですが特徴的なタトゥーと日常へ戻る難しさを重ね合わせたところが見どころに感じました。
人種差別というテーマは古今東西で映画でも日常でも扱われるけど、本作はどちらかというと人種差別をトリガーにした組織の心理的なしがらみを見事に描いているところが良かったです。そこが馴染みやすくて多くの人に考えを与える力を持っています。

愛されない欲求が人種差別をトリガーにした組織化へ発展するのと、一度組織へ染まった人間が真に受け入れられるには自己犠牲を伴う覚悟と渇望した想いを無くす受容が大切だ。
本作はそんなメッセージが素敵で、インディーズ作品らしさ・「暁に祈れ」に匹敵するビジュアルの奇抜さと合わせて不思議な魅力を持つ作品でオススメです!
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