ましゅー

SKIN/スキンのましゅーのレビュー・感想・評価

SKIN/スキン(2019年製作の映画)
3.7
さて本日も先程1本近くのシネコンで映画を観てきたところですが、未postが5本も😅溜まってしまっているので、一応律儀な私は劇場鑑賞作から優先し、時系列を追って挙げていきたいと思います。
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先週末7/11(土)、平日は忙しくてここしばらくは都内の劇場に行けそうもないので、都内でしか演っていない作品を観に、横浜の山の方→新宿まで行って来ました。

もちろん本作がお目当てのメインではありますが、先週アップしたように短編が併映されていたからこその、このシアターでの鑑賞です。
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短編は短編で20分に凝縮するために、敢えてショッキングな筋書き・成り行きにしたと思うのですが

こちらは事実を元に、レイシストである主人公の改心の変遷と贖罪の行い、そしてそのきっかけとなった愛する人との出会いから、その子供たちとのふれあい・命をかけて守る様を、じっくりと比較的丹念に描いたドラマでした。
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げに恐ろしきは、レイシスト集団とそのトップ夫婦。虐待や訳ありで独りでふらつく少年少女を言葉巧みに誘い入れ、衣食住(一応仕事の斡旋も)を保証しながら骨の髄まで白人至上主義を刷り込むその手練手管は、まるでカルト教団の洗脳手段のそれです。
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アフリカ系だけでなくアラブ系の人々をも暴力と、時に虐殺のようなやり方で排斥しようとするだけでなく、反ヘイト団体の助力を受けた主人公の脱退を阻む嫌がらせや脅迫、幼い子供までをも命の危険に晒すその謂われなき憎悪は、決してこの世に存続させてはいけないものですね…。
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身から出た錆びとはいえ、レイシストだった過去はまともな仕事にも付けなくなる要因ともなることが垣間見れましたし、そうした過去の消息抹消だけでなく、全身タトゥーの除去手術費用負担まで申し出る匿名の富裕層が存在するというのは、まだ救いのある世の中だという事でしょうか…。
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衝撃度は短編に譲りますが、改心した主人公がその後自身も身を捧げていくように、こうしたレイシストからの転向・救済の動きが現実にあるということが知れただけでも、希望はまだあると、少し気が楽になった気はするのです…😔
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(以下 公式サイトINTRODUCTIONより抜粋)

生れて初めて愛を知った差別主義者は組織からの脱会を決意した。だがその肌に刻まれた憎しみの象徴(タトゥー)を、社会は決して許そうとしなかった―。
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スキンヘッド、顔面に憎悪を象徴する無数のタトゥー。白人至上主義者に育てられ、差別と暴力に生きてきたブライオンは、シングルマザーのジュリーと出会い、これまでの悪行を悔いて新たな人生を築こうと決意する。だがそれを許さない組織からの執拗な脅迫、暴力は、容赦なくジュリーたちにも向けられていく・・・。
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2003年に米国で発足したレイシスト集団「ヴィンランダーズ」の共同創設者ブライオン・ワイドナーが辿った実話の映画化。新鋭監督ガイ・ナティーヴは、憎悪の円環からの脱却を図った男を軸に、レイシズムの非道、人間の再生、それを支える社会の寛容を鮮烈に描き出す。
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本作の基となった短編がアカデミー賞®短編映画賞受賞。
現代社会に巣くうレイシズムの問題に正面から向き合った、衝撃の実話。
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