あいつ

罪と罰のあいつのレビュー・感想・評価

罪と罰(1983年製作の映画)
3.9
カウリスマキの処女作、まさに『罪と罰』について考えさせられるヒューマンドラマ。面白かったです(※原作も手塚治虫の漫画すら未読です)

貧乏な主人公は理由もなく殺人を犯す。主人公は自首するのか?また、罪を犯してないけど外道な人間も出てきて心の闇を淡々とみせます。“人の持つ罪の意識”について考えさせられました。
けどヒロインの心情はちょっと理解できないかも。

監督の世界観を求めず鑑賞したのだけれど、冒頭は生肉工場の情景から始まり“マッチ工場〜”の様だし、音楽が相変わらずよかった所に“らしさ”を感じました。
また、役者陣達の“相手に感情を悟られないための無表情”という複雑な演技が巧みでした。後の作品達が放つ“無表情な役者のちょっとおかしな世界観”の発端かは分からないけど、本作の無表情演技が過程としてあるのかなぁと思うと感慨深いものがありました。

原作未読なのでどれ程脚色が入っているかは分からないけど、結末だったり伝えたかった事を察するとヒューマ二ストな手塚治虫が漫画にしたかったのも頷けました。
原作に手を出す勇気はないけど、漫画の方を読みたくりました。漫画観たらまた見直したいと思いました。
そしてアキカウリスマキBOX欲しい…orz