乙郎さん

罪と罰の乙郎さんのネタバレレビュー・内容・結末

罪と罰(1983年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

『罪と罰』(A.カウリスマキ)観賞。アキ・カウリスマキ監督の処女作。カウリスマキ作品はまだそれほど観ていないのだけれども、のちの作品だと『街のあかり』に近い印象。何が近いって、登場人物の中でもだめな人物ほどカメラ目線をとるところ。こっち見んな!と言いたくなるw だが、やはりその「見んな」感こそが影を描くときのカウリスマキの手法なのかもしれない(全部見ていないので断言はできないけど)。濃いブルーの画面や、スローなテンポなど、基本的には居心地のいい世界観の中に、カメラ目線や小津風切替し等違和感が混入する。
僕は、このカウリスマキという監督、母国語であるはずのフィンランド語を外国語のように聞けるんじゃないかという気持ちにとらわれる。それくらい、外国語を聞いている時のある種の気持ちよさ、音楽的な快感をコントロール出来ている感覚に陥るから。
あと、オープニングとエンディングで同じ音楽がかかるところ!この徒労感。前に進んでいない感じ。意地悪だ。たまらない。



乙郎さん

乙郎さん