タラコフスキー

罪と罰のタラコフスキーのレビュー・感想・評価

罪と罰(1983年製作の映画)
4.5
デビュー作にスリと同じ原作を選んで似たような手法で撮ったところを見ても、カウリスマキがブレッソン大好きということがよくわかる。

音楽が煩い箇所もいくつかあったけど、こんな初期からバンドの演奏シーン等後々の作品に見られる要素も多くて、既に自分の撮りたいものを確立している強度が確認できた。

ここに緩い空気を追加したらもう今風のカウリスマキ映画が完成するが、言うなれば独創的映像作家花開く前段階の時点で美しいものが拝めて実に気持ちが良かった。

しかし小津にしろブレッソンにしろ、フォロワーの今や代表格とも言える監督のカウリスマキが最初から良い構図の作品を提示する様を見ると、その手本となった彼らがいかに優れた映画監督だったかが改めてよくわかる。