sKuBo

オフィシャル・シークレットのsKuBoのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

正義とは何なのか
「私は政府にではなく、国民に仕えた」
イラクと開戦しようとしてるという趣旨のアメリカの機密情報を知った諜報機関勤務者、キャサリンガンの勇気に感動した。

彼女も普通の人間だから、正義に突き動かされて自分が行ったことに対して途中揺らぐ。
反戦運動が活発になっているし、このままリークした情報が出なくても戦争は起こらないのではないのか。
この揺らぎが、本当にただの一般国民が行ったリークであっという裏付け。
そしてリークしてからのキャサリンのやつれ様。

自分がしなくても大丈夫かも、でもしなくて戦争が起きたらどうしようという恐怖が彼女がなるべくしてなったヒーローではないということを表現している。

リークしても新聞社内でのミスがあったりで、結局キャサリンガンは表舞台に出ることになる。
むしろそのミスのためではなく同僚のため、国民のために正しいと裏付けのために彼女の存在を明かさないといけなくなる。

何よりも怖いと思ったのはあんまりにも呆気ない幕切れ。
起訴を取り消すから文書は見せられないと政府の口を閉ざす行為は、何よりも暴かれたくない事情を孕んでるようにしか見えない。
実際その後、イラク戦争は不当なものであったと当時の文書が公開された。

国民のために民意を操作するのは百歩譲ってわかるけど、政府のための国ではない。
民意を代表して政治を行うのが政府であって欲しいと改めて感じた。
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