sugar708

オフィシャル・シークレットのsugar708のレビュー・感想・評価

4.2
正義を貫き通すことは正しい行いなのか。

まず本作を観ていて思ったことは、キャサリン・ガンがいかに誠実で正義感に溢れ、それを行動に移すことが出来る勇敢な人物かということです。恐らくどう転んでも私は彼女のような行動を取ることはできない、恐らく大半の人ができないでしょう。

人は時に何が正しいことかわかっていても、正しい行いをすることが出来ないものだと思います。
また、社会の中では正義を最後まで貫くことが必ずしも正しいとは限らない。彼女は正義のためにGCHQへ就職する際に交わした契約、法を破っている側面があるわけですから。

悪いことはしていない。
正しいこともしていない。

この言葉が全てなのかもしれません。複雑な現代社会の中で、正しくあり続けることがいかに難しいかを象徴していたと思います。しかし、常に正しくあり続けようとすることこそが国と国民に仕える者の責務であることに変わりはありません。

キャサリン・ガンが答えた「政府に仕えているのではない。国民に仕えているのだ」この言葉がいかに重たいものなのか、彼女が身を持って証明していたのだなと。

最後になりますが、彼女は広島で教鞭を執っていたことがあるとのことで、こんな素晴らしい女性の授業を受けてみたかったなと思いました。
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