千年女優

オフィシャル・シークレットの千年女優のレビュー・感想・評価

3.5
海外生活で得た語学力を活かしてイギリスの政府通信本部で通訳の仕事に就くキャサリン・ガン。2003年1月に国家安全保障局からイラクへの軍事制裁決議のための非常任理事国の通信傍受を指示された彼女が、これに反発して指示をマスコミへとリークし、後に公務秘密法違反で起訴されて国家からの圧力に晒される様を描いた政治ドラマです。

イラク戦争における英米政権の強硬な姿勢を象徴する「キャサリン・ガン事件」を、監督に『ウルヴァリン』のギャヴィン・フッド、キャストにキーラ・ナイトレイを始めとするイギリス人俳優を起用して作った作品で、同様のテーマを持つアメリカのプライム事件を扱った『フェア・ゲーム』と同じくNBR賞の表現の自由賞を受賞しました。

実際の事件はプライム事件に比べても決して規模の大きいものではなくお話としての弱さを感じるところですが、それを工夫して構成された脚本でカバーしており、ほんの小さな誰しもが抱く義憤を行動に移し、時には大きな不安へと変わりながらも、しかし白日のものに晒されて確固たる正義へと繋がる、大衆的高揚を感じさせる一作です。