GreenT

オフィシャル・シークレットのGreenTのレビュー・感想・評価

3.0
背景は2003年、ブッシュ(子)がサダム・フセインが大量破壊兵器を持ってると言ってイラク侵攻しようと言い始めた頃。イギリスの政府通信本部で中国語の翻訳を担当していたキャサリン(キーラ・ナイトレイ)は、イギリスの諜報機関がしていたスパイ活動の証拠を見てしまう。

ここがざっくりしか分からなかったのですが、要するに、イラク侵攻は国際法には違法、だって大量破壊兵器があるって証拠が全くない。なので、国連の安保理の決議では、イラクに対する軍事制裁に賛成票が集まらない。なので、カメルーン、チリ、ブルガリア、ギニアなどの非常任理事国の大使たちの電話やなんかをスパイし、各国の動向を調べると共に個人的な脅しなども含めて、イラク軍事制裁に賛成票を入れさせようとしてたって話らしい。

キャサリンは、こんなウソで固められた戦争に自国イギリスが加担させられるのもイヤだし、イラクの罪もない一般市民が死ぬのは忍びないと、この情報をリークすることに決めるのだが、もちろんその代償を色々支払わされる。

映画的には王道過ぎるつまらない作りなのですが、すっぱ抜きするオブザーバー誌の記者たちの会話が、なんともブリティッシュな「クスっ」と笑っちゃうような感じが良くって、キャサリンの話よりこの記者たちをもっと観たいと思ったくらいでした。

キーラ・ナイトレイは、可もなく不可もなくだったけど、一般女性の役でも変じゃないなとは思った。でもこの人って、すっごいガリガリで小柄なのかと思ったら、すげー背が高いのね。

映画的にはこのくらいしか感想ないけど、この話には個人的に思い入れがあるから「やっぱり!」って思った。『シン・ゴジラ』でも「かの国は、無理難題を吹っ掛けてくるからなあ」っていう、あのたそがれた窓際首相の言葉があったけど、こんな素人が見ても嘘っぱちとわかる戦争を、国単位で強要するとはアメリカ、恥を知れ!

特にブッシュ(子)はキライ!この人もう引退して、今は絵を描いて悠々自適に老後を送っていて、性格丸くなった「いいお爺ちゃん」としてメディアで扱われて、トランプ批判して「いい人」を気取っているが、みなさん、この人がこのウソで固めた戦争をして、イラクに攻め込んだことを忘れないで欲しい!!

この人戦犯だよ、完全に。それが糾弾されなかったのにも驚くけど、今になっていい人ヅラして出て来て・・・

まあこの人はこのくらい図々しいからこうして罪悪感もなく生きていけるんだろうからしょうがないけど、世間がこれを受け入れるなんて!!「キャンセルカルチャー」でいろんな人が葬り去られているのに、この人がしたことを忘れて、平気で受け入れるなんて世の中間違ってる。

キャサリンは、結局訴えられないで開放される。訴えると、イギリスが違法な戦争に加担した証拠が出てきちゃうから。

この人がその後どうしたのか気になってウィキってみたけど、無罪放免にはなったがイギリスでは仕事が見つからず、旦那の故郷であるトルコで暮らしているんだって。余計ブッシュが憎くなる・・・。
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