デニロ

オフィシャル・シークレットのデニロのレビュー・感想・評価

3.0
イギリスの政府通信本部という情報機関の職員が国家機密漏洩を行ったとして逮捕、解雇される。外国の情報収集、暗号解読などをよく分らぬ手口で行い国の利益に利する機関、スパイ機関のひとつのようだ。一日中、世界中の情報を拾って解読しているらしい。国地域のセクション別に。

ああ、カルロス・ゴーンが盗人猛々しく怒った理由が何となくわかる場面もある。逮捕されても長時間拘束されるわけでもなく、自宅に戻ることが出来るらしい。監視を付けられるわ、法の下に家族を追い詰めたり嫌がらせをされるけれど。国家機密を曝したんだからそれなりの報復は覚悟しなければならない。そして、国は起訴するまで1年間の放置プレイ。不自由は我慢我慢。実に権力に逆らっちゃいけないと思わせる。

そこから先がまた権力者らしく落ち着いたのもです。慌てず騒がず何もなかったかの如くに振る舞えるのです。それはわが国でも同じ。権力者が無いといえば、それは無いことの様にしもべが取り計らってくれます。ご主人様に恥をかかせてはいけない。わたしたちはあのお方に仕えているんだから。蕎麦でも饂飩でも知らぬものは知らぬのです。シュレッターでもなんでもかけてしまえばいいのです。そして、番頭さんに、何ら問題はない、と言わせればそれで仕舞いです。そして櫻の樹の下には死体が埋まります。

自助、共助、公助。行政改革、国会議員削減、地方議会議員削減、減税というこれからの政策の事だと思ったけれど、どうやら権力者サロンの助け合い精神のようだ。仲間内でうまくやろうよ。
デニロ

デニロ