mh

オフィシャル・シークレットのmhのネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

湾岸戦争のウソ(大量破壊兵器のあれ)と機密事項の情報漏洩をめぐるポリティカルサスペンス。
イギリスのGCHQ(政府通信本部。英国の諜報機関)で働く女性が主人公。正義のない戦争に反対するため、活動家に情報を横流しにする。
中盤は報道機関が視点人物となり、匿名者からもたらされた情報の裏とり。政府お抱えの方針を破って、大スクープを取りに行くかどうかの葛藤。
ついつい校正入れちゃったひとかわいそうだった。(イギリス英語に直したことで、偽造が疑われる)
ミッドポイント以降は法廷ものとなる。
・理由はどうあれ守秘義務を守らなかったのは決定的なマイナスポイント。
・有罪を認めて酌量減刑を狙うべき。
・守秘義務を守らなくて良いパターン。「重大な危険が迫っている」ことを突破口にする弁護側。
というわけで、「情報漏洩のタイミングでイギリス政府はどのように認識していたか」が鍵となる。
いざ公判がはじまるとあっさり引き下がる検察側。政府に都合の悪い書類を開示請求されたのが効いたという展開なんだけど、このラストに持ってくまでのストーリーをここまで劇的に盛り上げるフィルムメーカーの手腕がすごい。
こちら側に裁判する上でのウィークポイント(イスラム教徒と結婚している)が有るのはテクニックかもしれないけど、それがいいんだよな。ようするにエンジンのかからない車は最高ということ。
しっかしあれだね。ジョージ・W・ブッシュ大統領、ディック・チェイニー副大統領、あたりはなんで裁かれないんだろうな。こうこうしていうるうちにラムズフェルド国防長官はなくなっていたのか。合掌。
作中に登場する名前「エルズバーグ」は、ベトナム戦争でこの映画の主人公と同じく、義憤にかられ情報漏洩したひとのこと。完成度は高いわりどこか白々しい「ペンタゴン・ペーパーズ」より、こっちのほうが好みだった。
面白かった!
mh

mh