miyu

オフィシャル・シークレットのmiyuのレビュー・感想・評価

4.1
アメリカの情報捜査から始まったイラク戦争…

以前、『記者たち 衝撃と畏怖の真実』や『バイス』を見ていたせいか 真実とはかけらなれた国家の情報捜査、すなわち、イラクが大量破壊兵器を持っている…と言う嘘で、戦争に踏み切った事実を映画によってワタシ自身が理解していた為、本作は、かなり 胸に響いた。。。

キーラの演じていたキャサリン ガンの取り調べの時に「(君は)政府に仕えている」と問われた時の 彼女の受け答えに 全てがあった。。。

「政府は変わります。私は国民に仕えているんです。政府が国民を守れるように、私は政府に仕えてます。政府が国民に嘘をつく為じゃない!」
この言葉の説得力には、ココロが震えた。。。

政府の力で 黙らされてしまうのが
常であるのにも変わらず…
彼女が、公務員としての 正しい姿勢を示した事に 拍手を送りたくなった。。。

当時のブレア首相が、国連憲章に違反するリスクを認知しながら アメリカ政府のイラク攻撃に加担していった事実を白日に晒したくない為、キャサリンの起訴を取り下げる事になった。

政府も あの手この手で嫌がらせをしてくる。。。
(彼女の夫が、クルド系トルコ人でイスラム教と言う事実をネタに〜)

また…
レイフ ファインズの演じていた人権派弁護士ベン エマーソンの活躍も見応えがあった…
ゴールドスミス法務長官のイラク戦争開戦前に渡米してから、彼が考えを一変させた事に 弁護士にベンは気がつく。。。
この辺りは サスペンス的な要素を加味していた…

真実とは何か…
その時の巨大なチカラにねじ曲げられた事実…
正義とは何か…

普通の人間には 彼女の様な勇気はなかなか持てないものだが…
政府のトップになる人間には、倫理感と正義感は忘れて欲しくない…って 今の世の中を見ていても思う。。。
己の私情や欲望で 人の生死を握って欲しくない…

愚かな戦争を繰り返さないで欲しい…
その為に、真実を隠匿し、そのツケを周りの人間に払わすような愚かなことは やめてほしい…
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