まさ

もちのまさのレビュー・感想・評価

もち(2019年製作の映画)
4.0
「雪」「餅つき」「少女」という、この透明感あふれる写真が気になっていて、タイミングが合えば観にいこうと思っていました。
僕が映画館での映画鑑賞を好きな理由は、”映像”や”音”の「エンタメ的刺激」を享受できるからだけではなく、自宅で観ようとしたら最後まで辿り着かない映画であっても、映画館の椅子に拘束されることでエンドロールまで観ることができる”強制性”があるからもあります。
どんな映画にも乗り越えなければならない、没入できないや、中だるみなどあることが多いけど、最後まで観ることができて本当に良かったということは多いですよね。

さて「もち」はどうたったか?
映画館でなければ最後までは辿り着かなかった系映画です。そして最後まで辿り着いたおかげで、でも「ザワザワ」しました!

否定的な意味ではなくで観終わったあと「???」だったのです。
60分という短尺ドキュメンタリーっぽく製作されているのに、岩手県の自然奥深い場所で生活する地元の方々による、「演技」が唐突に始まるのです。素人役者による演技というのも違って、素人が演技をさせられているといういか、、、。まさか映画館でそんなことを観せられると思っていなかったので、結構衝撃でした。

ぼくとつとした田舎の日常を自然に撮影しているだけなのだと気を許していると、いつの間にか変な演技が急に始まるのです。それもで悪い印象がないのがとても不思議です。ストーリーはあるようで無いというか、無いようであるというか、全く言語化するのが難しい。

日頃たくさんの映画を観ているので、変化球には慣れているつもりですが、一言で言い表すのが難しいタイプの映画でした。悪い映画では無いですよ。

鑑賞後、監督「小松真弓」さんのインタビュー記事を拝見し、本作の製作意図やエピソードなど拝見し、かなりまじめに攻めている映画なのだと感じました。このインタビュー記事を拝見してから鑑賞していたら、また少し違った印象になったかもしれません。
上映館は少ないですが、少し癒されたいと思う方は「割引デー」などに広い心で鑑賞してください。
まさ

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