コマミー

フォックストロット・シックスのコマミーのレビュー・感想・評価

3.8
【アジアの本気】
  
  [気まぐれ映画レビューNo.15]

※昨年、なかなか行けなかったヒューマントラストシネマ渋谷にて、毎年開催される「未体験ゾーンの映画たち」に行ってきました。この作品だけはどうしても観たかったので、意を決して行ってきた次第でございます。では参ります。
(2020年初劇場映画鑑賞作品)

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この作品にはある"有名プロデューサー"が参加している。
その名は、"マリオ・カサール"。かつて、「ランボー」や「ターミネーター2」などに参加したヒットメーカーだ。最近音沙汰が無いと思えば、"インドネシア"に飛んでいたとは…。

最初この作品のポスターを見て、最初に浮かんだのは"ニール・プロムガンプ"の作品だ。そしてもうひとつは、スピルバーグの「プライベート・ライアン」にリドリー・スコットの「ブラック・ホークダウン」だ。
ビジュアルとスタッフ、そしてキャスト陣で一気に興味がそそられた。どうやら昨年開催された"東京国際映画祭"に出品されたらしく、陽の目を観るようになったのだ。

そして鑑賞してみたが、これがなかなか"凝っていて"面白い。全編が、インドネシア語では無く英語なのが、何とも違和感があるのだが、何とも"昔のSFアクション"のような興奮が戻ってきたかのような感覚を味わえた。
まず、感覚的に言うと、やはりニール・プロムガンプ作品に強く影響されている作品だと強く感じた。感覚的で言うと、「エリジウム」に近い。強大な政府…そして"格差社会"…。余命わずかな男は出てこないが、世界観は"凄い近い作品"だなと思った。
そして、惜しげもない"シラッド"の活用だ。「ザ・レイド」の続編にも出演していた、"オカ・アンタラ"がこれほどまでに動ける俳優だとは思えなかったので、改めて再確認出来た。そしてこの武術とSFの融合により、"スタイリッシュ"を味わえる作品に仕上がっていたのだ。

だが少し残念な点がある。画質だ。全体的に影が指したかのような"暗い画質"が、少し残念でもあり、痛々しい所でもあった。監督の今後の作品では、その点が今後"期待"したい所だ。

ハリウッドで活躍したプロデューサーが参加している点もあるが、僕自身は"アジアの映画の今後"を見つめる事が出来る作品だと思った。
この作品で少なくとも興奮した人達は、ぜひ"ランディ監督"の今後に期待することにしよう。

改めて、インドネシアの映画が好きになった作品でした。
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