序盤、事故までの観客・警察・記者・FBI それぞれの視点をパラレルで見せていく手法はイーストウッドが一番得意とするところで、さすがに気持ち良すぎる。1日目にジュエルが怪しい動きをする人物を追っていたが実は違かったというミスリードを入れてくる所も上手い。ちゃんと被害にあった一般市民(写真を撮っている親子)のパートも用意しているところも実に好感が持てる。
ただその後の展開は序盤を超えられていないような気もする。サムロックウェルのやや粗暴なキャラクターは素晴らしいし、息子思いな母親も泣けるのだが、オリヴィアワイルドが公衆電話からの距離を測って「彼はやってない」と口に出すところは白々しいし、そこから改心するまでがやや唐突に見える。後部座席からヌッと出てくるアクションは良かっただけに残念。