このレビューはネタバレを含みます
大衆(社会)対個人で個人に必ず、味方をする(できる)題材を選ぶイーストウッドの面目躍如。
もう実話の映画化に関しては、本当に職人レベルです。
リチャードジュエルの人物描写の巧みさに目が行った。
絶妙に共感できない部分と、共感できそうな部分をブレンドしてくる。
泣いて部屋に篭ってしまった母を呼びに行くだりは凄い。
女性記者の人物描写は確かに少し問題がある。
しかし、最後の下りでちゃんと芯があって自分で考えることができる人物としてみせる努力はしていたと思う。
アメリカに対する厳しくも暖かいイーストウッドの視点は健在です。
最終的には人間を信じる力を見せつけられます。
『運び屋』や『15時17分、パリ行き』のようなチャレンジングを見せて欲しかったのが本音だが、それをできないほど今の世の中に狂った現状(フェイクニュース、炎上、偏向報道)が存在するという事だろう。
イーストウッドの映画は、自分の頭で考えるということが世の中でいかに強力な武器になり得るか、いつも教えてくれます。
必見。