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リチャード・ジュエルのATのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
3.9
報道は真実よりも「いかに悲劇的だったかや、興味を引くか」にフォーカスを当て、被害者や加害者の周辺を引っ掻き回す。これは何処の国も一緒なのかな?

彼の母親が涙ながらに無実を訴える姿は辛かった。

これは、実在したご本人と知り合いな訳では無いのであくまで本作を観ての感想だけれど。

リチャードは家宅捜索に来た捜査官に「何でも聞いてくれ」なんて言ってしまう程一見人が良いけど、私には彼が何度も口にする「法執行人」への盲目に見えた。

正義に対して思いが強過ぎた故に、自分と同じように彼らも正義を貫くという盲信。それを裏切るように「犯人を探すのではなく彼を犯人にする証拠を探している」FBIの捜査に対する絶望は大きかったのではないかと思う。

だからこそ取調べの時の台詞が響いた。

そしてサム・ロックウェル最高。

さて、メディアにより人生が狂わされていく今作だけど、作中悪女として描かれている実在した女性記者に関して、「体を使っていたなんて事実は無い」という訴えが実際にある。

これについて、自分はどう思うだろう。
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