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リチャード・ジュエルの821のレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
4.0
骨太のヒューマンドラマ。史実ベースというだけあってドラマチックさは控えめなんだけど、でも確かな感動がジワジワと、鑑賞した後からやってくるような映画でした。

この作品、お母さん役が絶賛されてて、実際すごく良かったんだけど、個人的な大ヒットはサム・ロックウェル!!以下、超・主観に満ち溢れていて個人的な趣味がダダ漏れの大変気持ちの悪いサム・ロックウェル評が始まります。

サム・ロックウェル、最近独特のいい役回りに収まるようになりましたよね。憎めきれない悪役というか、情に溢れた粗野な人というか…。
ジョジョラビットもすごく良かったんだけど、今回の弁護士役は個人的に「モロタイプ」。少し草臥れた感じのちょっと枯れ気味なおじさんだったり、口が悪かったり、世間渡りがちょっと不器用だったり、弁護士のくせに感情表現がストレートだったり。でもめちゃくちゃ情に厚くて、面倒見も良くて、仕事をしっかりこなす。3ピーススーツで決めてるときより、気の抜けたポロシャツ半パン姿にやられましたよ私は。あと今回ちょっと痩せてたね。
これまで普通にいいな、と思ってたけどある特定の役で「あかん、モロタイプや落ちた」ってなったのは「ボーダーライン 」ベニチオ・デル・トロ「ブラッククランズマン」のアダム・ドライバーぶり(結構間隔狭い)。こうやって作品によって違う顔と魅力を出せるって、本当に実力のある俳優さんなんだろう。しかし私はこういう無骨だけど面倒見のいい兄貴タイプにハマりやすいのかもしれない。

とにかく今回はサムロックウェルが最高すぎました。最後のFBIとの聴取シーン、リチャードがいらんこと言いそうで目をグルグルさせてたのがめちゃオモロかった。イキイキとしていてキャラクターにリアリティが増すんだよなあ。サムロックウェルのためにもう一度劇場に足を運びたいくらいでした。

全体的には、キャシーの変わり身があまりにも唐突過ぎて、え、この人こんなキレイな心の持ち主やったん?ってなったとこを除けばとても満足度の高い映画でした。
リチャードが若くして亡くなったのが悲しいですね。いい人生をおくれてたらいいなあ。
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