アトランタオリンピックでの爆破テロを題材にしたクリント・イーストウッド監督最新作。
偏見やマスコミの過熱報道に躍らされた世間の目と闘うリチャードジュエルに感情移入しすぎてなんかいきなり容疑をかけられて「あのデブならやると思った」と陰口を叩かれ家宅捜索前にベッドに薄い本を整然と並べて親に泣かれポテチやけ食いしようとして弁護士に叱られる自分が易々と想像できて胃がキリキリしたり。
良い映画である事は確かなのだが、噂で聞いていた以上に女性新聞記者の描かれ方に悪意がありすぎて、クリント・イーストウッドは何か個人的に彼女に恨みでもあるのかと感じるほど。しかし恐ろしいのがクリント・イーストウッドはきっと悪意なく彼女をああいう風に描いているところ。
クリント・イーストウッドはそろそろクソジジイ感性に喝を入れてくれる決して巨匠に物怖じしないし圧倒的発言力を持った若い感性のアドバイザーにビシバシ手直しされてギャアギャア舌戦を繰り広げたり掴み合いの喧嘩になったりヘトヘトになりながらポリコレ的感性をアップデートさせた一作を作り上げて更にその映画が出来るまでの話を自分主演で映画化してほしい。（老体にむち打ちすぎ）
