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リチャード・ジュエルのJIZEのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
3.6
1966年アトランタ五輪で爆発物を発見して多くの人命を救った英雄がFBIやメディアに容疑者と見なされた実在の警備員"リチャード・ジュエル"の運命が描かれる劇映画‼︎諸事情によりかなり久々の映画鑑賞となりました。まず"実際に起きた出来事"を潤度多めに単純化させ、ドラマティックかつ社会派に描き込まれていた点ではジュエルの顛末を食い入るように観てしまった。また最初の爆発事案が生じるまでのジュエルの人となりが、一癖二癖ある彼の素性やスニッカーズ然りユーモアを効かせて愉快に描かれている。おもに警察内部やメディア、世間の間で三角関係に近いような免罪の図式がフェイクニュース等の悪質な事象にともない想像すれば恐ろしくなるような問題を直視させられる。事件を好転に導いた賞賛を浴びる人間が、容疑者に転落した際に世間やその周囲はどのようなジャッジがくだすか。。逆の意味で胸糞悪い人間の本質や汚職染みた素性など観る者へ訴え掛ける要素がタブンに含まれた佳作だと思う。また弁護士の反撃に転ずる動向も痛快でイースト・ウッド節が炸裂してます。シチュエーションは違えど主人公の立場をジブンに置き換えた際に最後まで冷静に虚偽で塗り潰された事実に対応し切れるか。みえにくい人間の暗部や先入観などに迫った作品でもあるだろう。最後のエンドロールの独特な静観さにも余韻を残す作品でした。
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