ひでG

雨月物語のひでGのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
4.4
899本目のレビュー。
1953年ベネチア映画祭監督賞受賞作!

あの敗戦からまだ8年しか経ってないのに、快挙!快挙!です。

そんな日本映画史にとって金字塔作品。
しかも、65年間の時が経過しても全く色褪せない、永遠の名画!
こーゆー映画を真の「クラシック映画」「芸術映画」と呼ぶのだろう。

なぜ色褪せないか、なぜ古くならないか

それはいつの時代にも共通する人間の根源的なものを描いているからだと思う。

非常に分かりやすいテーマ。
人間の煩悩、欲についての物語。

「お金持ちになりたい!」
「名声が欲しい!」
「いい女を抱きたい!」

それらの誘惑に惑わされ、生活や家族さえも捨てようとする男たち。

65年前の作品、舞台は戦国時代の山村。
陶芸を成合にしている森雅之と田中絹代の夫婦。

この歴史的な俳優さんの、まあ〜セリフの聞き取りやすさ!
フィルムの保存の良さもあるだろうけど、
実にしっかりした声、がっちりとした演技

黒澤明映画がダイナミックスな展開に反して、やや【かなり】セリフに難があるのに対して、まるで新劇の舞台を観てるよう。

時は戦国真っ只中、度重なる合戦により、村々は荒れ果てる。
森雅之と田中絹代の夫婦は細々と陶芸で身を立てているが、いくさの混乱の中、品物が予想以上に売れ、まとまったお金を手に入れる。
貧しいものが一度手に入れたお金の魅力。

一方隣家の男は、侍に憧れている。

物欲と名誉欲に目を奪われた2人は家族とともに町に出ようとする。

そこで、、、、

シンプルでしょ!

ギリシア神話やシェークスピアみたいなだよね。

謎の館の霧の立ち込める雰囲気なんかも白黒映像の良さをふんだんに表しているし、
性欲にまさに溺れていく描写も、まあ見事です!

プロの仕事をどうそご覧ください!
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