ミミック

雨月物語のミミックのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
4.2
原作の怪異小説の9つの短編から「浅茅が宿」と「蛇性の婬」2つをもとにアレンジしたもの。焼き物をつくる二組の兄弟夫婦の明暗を分けるものの正体は―。浦島太郎的なお伽噺のようでもあり、芝浜みたいな夢とうつつと幻を描いた落語的な人生訓でもあり。二組の妻と京マチ子演じる魔性のお姫様を合わせた3人から、女性の強さ・妖しさ・逞しさ・儚さなど色んな情感が読み取れる。溝口作品はいつも、悲劇の描き方が胸に迫るものがある。霧の立ち込める河を舟で渡るシーンは様々な意味合いがあって示唆的。兄弟がそれぞれの妻と再会するシーンはどちらも「うわぁ‥」て声が出た。
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