あや

雨月物語のあやのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
3.7
陶工の源十郎は妻子を残して出稼ぎに行った地で若狭姫と出会い、惚れてしまうが…


ワンシーンごとの画がとても美しい。
特に胸を打たれるほど美しかった場面が、霧の中をゆっくり舟を漕いでいくシーン。
源十郎と、家来に憧れる藤兵衛が妻子と村から逃げるシーンですが、霧の中舟を漕ぐのはまるでそれぞれの家族がバラバラになることを暗示しているかのよう。


バカだねと言いたくなるほど陶器で一攫千金を狙う源十郎の欲が破滅へと導く。
夢と現実の切り替わりのシーンが見事すぎて…ゆらゆらと立つ囲炉裏の鍋の湯気や、蝋燭の灯りも全て虚構なのかと鑑賞者に錯覚を起こすのがすごい。
あや

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