エンドロールで静かな感動が胸を包む実に
素晴らしい作品でした。
ラスト、本来なら一番の見せ場になりそう
な場面をあえて描かないことに上手いなー
って心底感心しました。
全体を通して、笑いを誘う様なコメディー
チックなシーンや必要以上のオーバーな演
出が無く（それも嫌いではないですが）こ
れが韓国映画なのかと思う程でした。
きっと主人公のあくまでもプロ選手になり
たいという真摯な気持ちを偽りなく表現し
たかったのでしょう。
作中である人物が言いました。野球の勝負
は投手で7割が決まる。それだけにプレッシ
ャーたるや並大抵のものではない。
私は投手では無かったけど小学生の時に野
球部で汗を流した野球少年でした。
その時のエースは学校のマラソン大会でも
優勝する程の運動神経抜群の子。だけどピ
ンチになるといつも四球を連発して交代さ
せられていました。
投手とは卓越した投球術だけでは務まらな
い。孤独感に耐える強い精神力を兼ね備え
ないと担えない重責を背負っているのです。
それでもプロで活躍する投手になりたい…
決してあきらめない彼女の揺るがぬ思いは
「女性のプロ選手などありえない」という
人々が抱く偏見を打ち壊してゆく。
私は懸命に頑張ってもレギュラーになれな
かった虚無感もあり小学校卒業とともに野
球をやめてしまいました。
そんな軟弱者の私にはスクリーンに映る彼
女の姿はまるで女神の様に眩しく映りまし
た。
夜にコツコツと一人で投球練習に励む彼女
の様子を見て私も練習後、帰宅してから素
振りをしていたことを思い出しました。
その後の自身の不甲斐なさを恥じるととも
に夢を持つことがどれだけ素敵なことか改
めて教えられた気がします。
野球から離れて長い年月を経たけどこの作
品に出会えて本当に良かったです。
こんなノスタルジックな気持ちにさせてく
れる映画ってやっぱりいいものだな〜(^^)
