ユナイテッドシネマとしまえんにて字幕版を鑑賞。
2021年新作劇場鑑賞10作目。
客席は3割くらい。
テーマ「自分を信じる」
[全体として]
かつての天才野球少女だった主人公が成長と共に、「フィジカル的な問題」や「性差別の問題」などで、目指していた「プロ野球選手という夢」に大きな障壁が出来てしまった。という感じの話だが、この夢を追うという部分や、それを諦めてしまったことがある経験や、諦めきれずに続けている人だったり、それを周りの人は誰も応援していないという事も、多くの人にあると思うので、誰もが共感できるキャラクターがこの話の中に存在しているんじゃないだろうか?
それは、『桐島部活辞めるってよ』でもテーマにしていたことだと思うが、普遍的な人生の話だった。
[良かったところ]
偉大な父はいないが、『クリード』っぽい。淡々とした語り口であるが、周りに味方はほぼ誰もいなくても、野球をする事が大好きでどうしても辞められないという主人公の悲壮な思いが、作品にエモさを与えていてとても良かった。
主人公の障壁となるコーチも、実は主人公と同じ葛藤を抱えていて、痛いほど気持ちが分かるから。。。という展開も泣かせる。
困難を乗り越えて周りの考えを主人公が変えていく所は爽快感という言葉だけでは語れないくらいの気持ち良さがある。
[気になったところ]
無断でバックれないで、練習試合あるからって言って早退させて貰えば良いじゃんとか、母親は働きながら野球を続けさせてあげればいいじゃんとか、女子野球に進んで、トライアウトの時期が来たら受験すれば良いじゃんとか、主人公はプレー中にウィンドブレーカーを着たままなのは何故?とか細かい所は気になった。まあこの作品の野球は概念としての「野球」なんだと思うので、気にする方がおかしいのかもしれない。
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今年必見の青春映画だと思います。
オススメです。