煙草と甘いコーヒー

ひとつの太陽の煙草と甘いコーヒーのレビュー・感想・評価

ひとつの太陽(2019年製作の映画)
4.6
思わぬ展開に戸惑わされる。

でも、惹きつけられてしまう。
登場人物たちに。

映画でこんなに笑わさせられたのはいつ以来だろう。

全体的にはシリアスな雰囲気がベースなのだが、時折挟んでくる不意打ちのような笑いにやられた。

時々、なんで? というようなふざけたBGMがあったが、これもギャグなのだろうか?

メインのキャストはもちろんだが、教習所の所長をはじめ、脇役陣のキャラクターも良かった。

バスを待つシーン
九九を教えてやるシーン
動物園で手を繋ぐシーン
退院のアナウンス後の合唱

他にも良いシーンがいくつもあった。

そして、カットが長い。

しかし、ただ長いだけではなく、登場人物が悩み考え感じているのが伝わってくるので、長いとは感じず、いつの間にか見ている自分が登場人物に寄り添わされてしまっている感覚。これは凄いことだと思う。

ラストも、母親は何を考え、感じているんだろう、、、

そう考えずにはいられない、長いカット。ここまで見せられてしまうシンプルで長いカットは、見たことがないかもしれない。(見ている数が少ないのと、これまではそういったことを感じられていない可能性が大ではあるが、、、)

独特の温もりあふれる、良い映画だった。