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フォークロア TATAMIのクリームのレビュー・感想・評価

フォークロア TATAMI(2018年製作の映画)
3.6
斎藤工が監督した短編ホラー。主演は北村一輝。アジア6カ国の監督が各国の民間伝承をモチーフに描いた、HBOアジア製作によるホラーオムニバス「フォークロア」の一編。これは第2話目。短いのに構成のしっかりした作品でした。
父の葬儀に参列するため帰省した男。実家で秘密の扉を見つけた彼は、そこから家族の秘められた過去を知るのでした。




ネタバレ↓



怪事件を追うライター、マコトは、凄惨な殺人事件を追ってとある廃屋に取材に行った日、母から父が亡くなったという連絡を受けます。我が家に戻りますが、母の雰囲気が怪しいのとマコトが聴覚障害者である為か2人の間に違和感を覚えます。この家に戻ってから、彼は色々フラッシュバックに悩まされます。家の中の開かずの間に足を踏み入れた時、忘れていた過去が蘇って行きます。
あの人は、母ではなかった。自分の家族を皆殺しにした、実父の弟夫婦にマコトは育てられたのだった。子供の出来なかったこの女が、自分の子として溺愛したのだった。
全てを思い出したマコトを母は殺そうと迫ります。ラストは、畳に宿った亡くなった家族達が彼女を呑み込んで行った。
良くあるストーリーながら、拘りを随所に感じる脚本と映像で、内容も人怖と怪奇現象のバランスが良かったです。少しずつ、恐怖を紐といて行くのは、惹き付けられるしラストもスパッと終わる潔さ。映画好きな斎藤工さんらしい作品でした。面白かったです。
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