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Motherhoodのtetsuのレビュー・感想・評価

Motherhood(2019年製作の映画)
3.2
神戸インディペンデント映画祭優秀作品特別上映会にて鑑賞!

神社から転げ落ちたことがきっかけで、1994年にタイムスリップしてしまった妊婦の女性。精神病院へと連れて来られた彼女は狂った医者たちから娘を守るため、脱走を図るが...。

未来を知っていることから精神異常者だと認められてしまう展開、子供を守るために母が頑張るという展開、主人公になんとも『ターミネーター2』のサラ・コナーを想起させられる短編作品でした。
(前日に観ていたので、その影響かもしれないけれど...。笑)

海外の学校で映画制作を学んだという監督だからこその、日本映画らしからぬ撮影技法や自然な合成が見事で、最も効果的な形で作品のメッセージが伝わるラストシーンも秀逸でした。
(監督のトークによると、このラストは『ボーイズ・ドント・クライ』に影響を受けたそう...。)

予算や尺の限度があるため、物語の核となる「優勢保護法」というテーマに対する深い切りこみが足りないように感じたり、そこから何を思うのかは観客に委ねられているという構造上、多少、賛否は別れる作品だとは思いますが、かつての法律の存在を改めて知らせるという点や、まだ、問題は解決していないという現状を主張するという意味で、とても意義のある作品だと思いました。

参考
優生保護法 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%84%AA%E7%94%9F%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95
(この映画のテーマとして描かれた実際の法律。)
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