ホリグチ

ヴィタリナのホリグチのレビュー・感想・評価

ヴィタリナ(2019年製作の映画)
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ペドロ・コスタ監督の作品のなかでは、すこぶる映画的な印象を受けた。最低限、撮りたい場所と人物があればいい。それがペドロ・コスタ監督の作品である。
本作は撮りたい人物が一人ではなく二人であった。すなわち、対話が生まれ映画になった、と言えなくもない。一方、ヴィタリナの情感豊かで個性の強い存在感が、監督に映画的な作りをさせたとも考えられる。例えば、ペドロ・コスタ監督らしくない、あのラスト・ショットの意味をよく考えてみると、作品としての完結を目指すための画を狙ったのではなく、ヴィタリナへ捧げられた花束であるというように解釈したほうが、ペドロ・コスタ監督らしい気がする。
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