なつ

ヴィタリナのなつのレビュー・感想・評価

ヴィタリナ(2019年製作の映画)
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ポルトガルの鬼才、ペドロ・コスタの新作。
難しいと言われる監督作の中では、わかりやすい方だった。
漆黒、完璧な構図、映像を学んでいる人達は勉強になる作品だと思う。

愛だけではダメなときがある。
いや、愛さえあればなんとかなる。

舞台は、リスボンの片隅、アフリカからの移民が暮らす貧困の地区。その濃い暗闇の町の空港に、ヴィタリナが降りたつ。夫の危篤を知ってアフリカからやって来たが、夫の葬儀は3日前に終わっていた。ヴィタリナは、最底辺の地に留まる。

この夫婦をフォロワーさんは、樹木希林と内田裕也と表現した。
いや、常人には理解できない領域。
ヴィタリナの語りに耳を傾け、映像美に酔いしれた一時だった。

本作は本国ポルトガルで、“これは私たちの物語”と、2万人動員の異例の大ヒット作となったそう。
ポルトガルの人口は1029万人。
去年、リスボンに行き、映画館を探したけど、一つしか見つからなかった。
上映作は、パディントン2と、チャップリンのキッドだった。
あまり映画を観ない人達なのかな?と感じたので…
やはり2万人動員は異例で、女性達に愛された作品なのだろうな…。
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