回想シーンでご飯3杯いける

ボンベイ・ローズの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ボンベイ・ローズ(2019年製作の映画)
4.8
以前から気になっていたインドのアニメ映画がようやくNetflixで観られるようになったので、早速鑑賞。その独創的な映像表現に圧倒される。

ディズニー以外の海外アニメを知る機会はあまり無いけど、日本とは全く違う方向性で進化する表現を絶対知っておく方が良い。「動く油絵」と騒がれた2017年の映画「ゴッホ最期の手紙」にも近いが、こっちは更に、児童の違法労働や女性差別等、社会派作品としての性質や、映画を愛する国民性、そしてラブストーリーとしての切なさを併せ持った、何とも刺激的な作風。

そして、ストーリーとシンクロするように挿入される民族音楽や古い大衆歌がとても良い。いわゆる典型的なミュージカル映画では無いけれど、これもひとつのミュージカルと言って良いのではないだろうか。各曲の訳詞もしっかり挿入され、ストーリーの主役と言って良いほど作品の柱になっているのが良く分かる。(最近の洋画は、挿入曲の訳詞が省略されるケースが多く非常に残念)

終盤の雨のシーンでは何度も鳥肌が立った。抽象的な表現も多く万人向けとは言えないかもしれないが、僕は強く支持する。