ラウぺ

ジェントルメンのラウぺのレビュー・感想・評価

ジェントルメン(2019年製作の映画)
4.0
英国で大麻の栽培・販売で一大帝国を築いたミッキー(マシュー・マコノヒー)は引退を考え始める。ユダヤ人の大富豪マシュー(ジェレミー・ストロング)に4億ポンドで事業を売ろうとしていたが、それを嗅ぎつけた私立探偵のフレッチャー(ヒュー・グラント)はミッキーの右腕レイモンド(チャーリー・ハナム)のもとを訪れ、全てを物語にした映画の脚本を売られたくなかったら2000万ポンドを出せ、と要求してくる。

映画はレイモンドの脚本をもとにミッキーの跡目を狙う有象無象の“ジェントルメン”が繰り広げる大騒動を描く。
ガイ・リッチーの作品の打率は個人的にかなり高く、本作も大いに期待していましたが、予想を大きく超える満足度。

登場人物多数で、それぞれがどんな人物なのか最初は分かりにくいため、話についていくのが大変なのですが、それぞれのキャラクターと物語への関わりが徐々に分かるに従って、何が起きているのか分かるようになっています。
ちょっとトリッキーな脚本ですが、ハイテンションでスタイリッシュな作風が物語を飽きることなく楽しむことができます。

それぞれのキャラクターはみな個性的で裏社会を渡り歩いてきたクセ者ばかり。
ミッキーの商売の跡目を巡って中国人のギャングやロシアのマフィア、チーマーの若者を束ねるボクシングジムのコーチ(コリン・ファレル)、タブロイド紙の編集長(エディ・マーサン)など、幅広い登場人物のバリエーションでそれぞれが物語とどう絡んでいくのか観る楽しみは本作の大きな魅力のひとつ。
登場人物が一通り揃ってからの二転三転する展開、誰もが腹の内を明かさない騙し合いの連続に最後まで見飽きません。
あまりのツイストの連続にちょっと出来過ぎた話という印象もあるにはあるのですが、そういうことを気にするような作品ではなくて、予想を見事に裏切られていく展開に身をゆだねて、最後の勝者が誰なのかを見届ける至福の時間を過ごせば良いのだと思います。

ガイ・リッチーには『コードネーム U.N.C.L.E.』の続編を撮って欲しいと思うのですが、アーミー・ハマーがアレな状態では難しいか・・・
とりあえず『ラース・オブ・マン』を楽しみに待ちたいと思います。
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