TaichiShiraishi

ジェントルメンのTaichiShiraishiのネタバレレビュー・内容・結末

ジェントルメン(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます


豪華キャストで、いつものガイ・リッチー節がさく裂しているのだが、正直それでテンションはあまり上がらなかった。



個人的にはガイ・リッチーは自分の色が出せ過ぎない前作『アラジン』でちょうどいいバランスの手腕を発揮していたと思うので、今回自由にやらせ過ぎて、なんなら過去の自分の真似をしようとしていた感じになっていたのが、ちょっと残念だった。



一ひねり、一ひねりと話をツイストさせ過ぎた結果のめんどくさい雰囲気の脚本、いちいち挟み込まれるギャグ、映画としての格調を下げるストップモーションと映像効果、決して悪いわけではないのだが、どうにもうまいことやろうとしていろいろつじつまを合わせている感じが見えて、乗れなかった。



最初の麻薬王掛けされる下りから明らかにミスリードっぽいし、そのあとの裏社会の二人がことの顛末を話しながら回想していくという構成もいかにも仕掛けがありますよ~という感じ。



いろんな伏線を無理やり回収しようとした結果、いちいち回想で説明が入るのもいただけないし、最後まで狡く展開される話だった。



決してレベルが低いわけではないし、マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、ヒュー・グラントの新たな一面を見せる演技は見れて特だったと思うが、なんだか全体に小さくまとまっていてあんまり好きになれない。



一番良かったのはトラックスーツ姿のコリン・ファレルとその手下たちで、彼ら絡みのシーンはオフビートな笑いが多くて面白かった。
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