順慶

春江水暖~しゅんこうすいだんの順慶のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

富春江という大きな河がある町のある家族のある1年間の物語。
家族や親戚やらが集まって、中華料理店でおばあちゃんの長寿を祝うシーンから映画は始まる。

長男はその中華料理店を営み、次男は漁師として生活、三男はダウン症と息子の2人で暮らしながら、賭博で生計をたてるようになり、四男は解体屋で独身。

その町は急激な近代化が進み、次男は立ち退きになり、立退料をもらって小舟で生活している。
町には大きなマンションがたち、風景が変わりつつある。

映画の中でも説明されるように、水墨画のイメージの風景が印象的。山がいっぱいあって、河がある。その山と近代化がのビル群が同居している。

監督はその町の出身のようで、その町の変わる過程をこの家族を通して、記録したかったのだろうか。
その家族たちも、どこにでもいそうな、おっちゃんとおばちゃんたち。後で公式サイトを見たら、ほとんど身内だった。もちろんダウン症と息子と三男は、本当の親子。長男の娘とその婚約者は役者のようだが、本当に付き合っていた。

強烈だったとは、長尺のワンカット。河沿いでデートをしていで、彼が河に飛び込み平泳ぎをするシーンを横スクロールで撮り続け、河からあがってシャツを着て、彼女の歩きながら話し続ける。10分はあっただろうか。見ているほうとしても、かなりしんどかった。
左から右への横スクロールカットは多かったが、最後だけは、逆だったように思う。

ストーリーは、おばあちゃんの面倒は誰か見るとか、お金の貸し借りとか、結婚の許否とか、どこにでもありそうなことなんだけど、その背景には、町の近代化が見える。

2時間半のこの映画の最後に「一巻完」と出てきた。この後も続くのか。サングラスをした四男の意味深な表情で終わったので、気になったが、続くなら、これは見届けるしかないな。
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