KnightsofOdessa

春江水暖~しゅんこうすいだんのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

3.0
[季節が巡り、世代も巡る] 60点

31歳という監督はこれまで自分だけで劇場公開もされない短編ドキュメンタリーを撮っていたらしいが、その全く有名でない監督の初長編が数奇な運命を辿って東京のスクリーンにたどり着いたかと思うと感慨深いものがある。初長編というだけあって主演陣は軒並み親戚で、物語も言うほど大したことないが、監督のいう"現代中国のサンプリング"という意味では権力に明白な反抗はしないことで『シャドウプレイ』のなし得なかった現代性と、土地の生む歴史を融合させることには成功している。春夏秋冬のサイクルと世代交代のサイクルを重ね合わせるのは直近だと『Voices Through Time』で観たような気もするが、2時間30分の大河のような作品のなかにしっかりと根付いていたように思える。とはいえ、神経使いそうな長回しも既視感に溢れていて、あんまり頭に残らない。

第一部完結!に笑いが起こっていたけど、私はいいなと思った。なんか物凄い()トリロジーの幕開けを目撃したのかもしれない。これは化ける気がするぞ。(というニュアンスのことを監督に伝えたら喜んでました!可愛い人!)
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