チッコーネ

花椒の味のチッコーネのレビュー・感想・評価

花椒の味(2019年製作の映画)
2.5
香港、大陸、そして台湾に散らばった腹違いの三人姉妹のうちひとりはレズビアン、ひとりは「最近、中共の引き締めにより消えつつあるショッピング系ライバー」という設定は面白い。
しかし演出の大半は凡庸かつ直球の、感動強要家族愛ドラマ。
灰汁の強い男性監督たちが撮ってきた香港映画には、たやすく感情に流されぬエンタメ精神とプロ意識があったものだが、新進女性監督の作品はこんなものかと、がっかり&ぐったり。
気難しいヒロインのキャラクターは、鬱病による休業経験ありのサミー・チェンにふさわしい。
客演陣も豪華、特にガチムチ化したリッチー・レンは若い頃よりイケメン。
道教の葬儀式や、子供/孫の結婚相手募集広場に群がる老女、そして長江ロープウェイ乗り場など、中華圏ならではの風景が多数盛り込まれているのは興味深い。